2015年5月4日(月)
本格的にGWに入って交通量も増えてきました。
観光客や帰省者をみかんの花が迎えます。
先週くらいから気温の高い晴れ日が続いているので一気に開花が進み、昨年より一週間ほど早く例年並みの満開となりました。
畑中が甘い香りに包まれています。
満開時期の防除
その香りに誘われるようにいろいろな虫たちもやって来ます。
コアオハナムグリやケシキスイ、アザミウマといった吸蜜する際に子房部(果実になる部分)を傷つけたり食べたりする害虫のほか、無害虫、益虫さまざまで、殺虫剤を使用ということは、無害なものたちをも殺生することになります。(この矛盾やジレンマについては昨年のブログ「みかんの花が満開になりました」でも書いています。)
しかしカメムシが多数飛んでいるのが気になります。カメムシといえば夏から秋にかけてみかんを吸汁する重要害虫なのですが、昨年に続き花の時期に見かけるようになりました。
通常は山で杉の実などを食べていて、食べるものが無くなると畑に降りて来て幼果や葉から吸汁し、落果や落葉を招きます。
花がたくさん咲いていれば実害はさほど気にするほどでもないのですが、彼らは自ら出すフェロモンで仲間を呼び寄せる習性があるので多発します。
夜、家の明りに集まるカメムシたちが、窓一面に張り付いた様を見ながらの晩御飯は・・・なんだかです。
殺菌剤も加用
花が咲き、その中に出来る子房が膨らんで果実になっていくのですが、幼果はとてもデリケートです。
役目を終えた花びらがいつまでもくっついていると、カビが繁殖して「灰色かび病」を誘発します。そのほか枝や葉に付くカビ菌が原因の病気が増えないように殺菌剤を加えて散布します。あと、開花にはエネルギーをたくさん使うので、アミノ酸、窒素分の葉面散布剤を加用です。
自然の大気を無菌にすることは不可能ですから、農業試験場などでは圃場の中で作物別に使用する薬剤やタイミングなど、最小の資材で最小の被害に抑えられるよう研究しています。それを基本に自分のところの圃場条件や品種に落とし込んで防除作業をしていきます。
この防除が上手くいったかどうかは、実が大きくなってこないと分からないのでもどかしい。
自分のタイミング的にはあと数日してからの散布だな。と思っているさなか、隣の畑で防除が始まるとちょっと焦ったりなんかします。