美味しさの考え方
温州みかんは手軽に食べられる果物として昔から日本人に親しまれてきました。
以前は冬の果物というイメージでしたが、品種改良や栽培方法の工夫によって、今では長期間に渡って楽しめるようになっています。
そんなみかんですが、見た目で美味しさを見分けるのは非常に難しく、天候によって味が大きく変わってしまいます。
お客様に「北東農園のみかんはいつも美味しい」と言っていただけるように、様々な工夫をしています。
果物の甘さは「糖度」で表されます。果汁の中の糖分が多いほど甘いとされますが、糖度計での測定は糖分以外の要素も含まれるため、数字はいちがいに甘さの度合いを表しているものではありません。また酸味とのバランスによっても甘みの感じ方が変わってきます。そのため糖度の表示などは行っていませんが、出来るだけ甘く濃い味のみかん作りを心掛けています。
甘さだけではなく、酸味があってこそ美味しいみかんです。みかんの酸味の素は主にクエン酸です。夏場の乾燥や雨によって酸味が大きく変わるのは、水分と根の関係性によるものです。北東農園では梅雨時から収穫までの間マルチシートと呼ばれる白いシートを地面に敷き詰め、雨水を制限することで酸味の調整をしていきます。適度な酸味を残した状態で完熟させるのがベストだと考えています。
美味しいみかんを作るためには「甘い」や「酸っぱい」のほか、「旨味」も重要な要素です。旨味はコクとなってみかんの味わいを深めます。料理などと同じように旨味はアミノ酸が大きく関わっていますが、それは植物の場合、主に微生物によって土の中で作られるものです。微生物のエサとなる有機質を多く含む肥料を使うことにより、旨味を十分含んだコクのあるみかんに育てます。
農産物であるみかんは、天候により味が変わるものです。見た目で判断できない味の善し悪しを少しでも判りやすくするため、北東農園では独自の美味しさ基準を設けています。甘み、酸味、旨味を総合的に5段階に分け、販売基準のレベル3以上と判断したものを箱詰めしています。
またレベル3以上のものは区別せずに箱に入れていますので、その年の平均値を販売前にお知らせしています。他のみかんとの比較ではなく、あくまで当農園内の評価基準ですが、お買い上げ頂く時の参考になればと思っています。
食味レベル
味の目安
販売基準
1
美味しくない
販売しない
2
あと一歩
3
美味しい
販売
4
とても美味しい
5
とびきり美味しい
基本的な考え方
土は太古より生物が生死を繰り返し循環することで作られてきました。人の手で栽培される農産物も自然の循環システム使い、土の力によって作られます。みかんの生育や味の良しあしはすべて土からのメッセージです。
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みかんは甘味、酸味、旨味、のバランスで味が成り立っています。人によって味の好みや美味しさの感じ方はさまざまですが、北東農園の考える味へのスタンスを明確にし、お客様へ伝えることが信頼につながると考えます。
北東農園では農薬や化学肥料を使ったいわゆる「慣行栽培」という方法でみかん作りをしています。安心して召し上がっていただくために、農薬の正しい知識や、当園で行っている安全への取り組みや考え方などをお伝えします。