花の防除2回目。

花の防除2回目。

2024-05-18

5月に入ってから順調に晴れと雨が繰り返されていて、みかんは今のところ順調に成長しているようです。成長していると言ってもその実はまだ小さく、これからの天気や手入れの良し悪しによって、収穫の秋に果たして笑っていられるのか泣き崩れているのか、今のところは予想がつきません。

梅雨入りが早すぎたり逆に雨が振らなかったりと、どちらにしても心配の多いここ数年の中で今年は比較的安定しているような気がします。

ということで花の時期の防除の2回目を行いました。

当園では開花から着果時期においては2回~3回の防除が必要となっていて、薬剤の選定や組み合わせはJAから配布される防除暦を参考にしつつ、自分の畑や品種に合わせて効果的で効率の良い方法を選んでいきます。

1回目4月26日頃(8分咲き~満開時):花に集まってくる害虫に対しては被害が軽微なため殺虫剤は使わず、花びらや雄しべに発生するカビ予防の殺菌剤を散布。

ちなみに同じ園地でも品種や場所によって開花の速度に少しズレがあるので、花10個中8個咲いたら満開と判断しています。

2回目5月14日頃(落弁期):花びらや雄しべが完全に落ちるまでは殺菌成分を切らさないように、1回目から3週間を目処に前回と違う薬剤を散布。今回は皮を傷つけるアザミウマ(主にチャノキイロアザミウマ)を防除するための殺虫剤を混用。

アザミウマは3月から10月にかけて月一で繁殖するため今のうちに個体を減らしておく必要があります。通常の虫であれば目視で発生の確認をしてから防除をするのですが、成虫で1mmにも満たないくらいの大きさなので、目視に頼らずJAが示している防除指針に合わせて散布します。

この時期の薬剤散布をしないとどうなるのか?ということについては、私が就農する前には落弁期の1回に減らしていたことがあったらしく、「弁」が花びらではなく最後まで残っている雄しべ(写真に写っている長い鼻のようなもの)のことだと思っていたらしく、つまり完全に防除適時を逸した散布だったらしく、カビ病やアザミウマやその他の虫による傷が多発していて、本人は「安心安全の減農薬じゃい!防除暦なぞ当てにせず自分で考えるんじゃい!!」と言っておりましたが、出荷先の市場では「これは無農薬栽培か?やる気が無くなったのか?もう辞めるのか?」という噂が立っていたそうです。

とどのつまりは防除指針に則るのが最良策という当然の話しになるのだけれど、そんな親父の息子です、いっぺんに元に戻すことはしませんで。。。

一つ足してタイミングも変えて足りなければもう一つ足して、いろんな人に質問を撒き散らして鬱陶しがられながらあれこれ試した挙げ句、結局は防除指針にほぼ近い形で収まっております。ww

10年以上かけてなにやってきたんだよという話しですが、自分が納得できたのでまあ良いのです。

とりあえず花の時期の防除はこれでOKなのですが、「はるか」と「レモネード」の果皮色が黄色い2品種については、開花時期が遅いため時期を少しズラして散布していたのですが、どうも成績が芳しくない。

「はるか」の灰色かび病と思われる病斑。汚いだけでなく日持ちが悪いので販売できない。そんなのが4割くらいあるとさすがにツラい。

「レモネード」なんかしらんけどとにかく汚いw。珍しい品種なので防除指針もなくいつの時期に罹患するかも不明なため、ひたすら手探りで模索中。

この黄色いシリーズだけとりあえず防除を1回追加してみようと思っています。

当園の柑橘をお買い上げいただいている方はあまり気にしていないかと思いますが、農薬や安全性については実際に使っている農家以外の人には分かりづらいところも多々あると思います。そのため農薬やJAについての間違った情報なども見受けられますので、少しづつでも情報や農家としての意見を伝えていければなと思っています。

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