北東農園のご案内

北東農園の紹介

2022-09-17


朝晩が少しづつ涼しくなってきて、鈴虫や松虫の音色が「もう夏は終わったんやで!」と教えてくれます。
昼間はまだまだ暑さを感じますが、休憩の時間やお茶を飲む量がずいぶんと減ってきました。
そしてあとひと月もすればみかんシーズンが始まります。

就農した頃の記憶が曖昧ですが、かれこれ18-20回目くらいのシーズンになると思います。

18-20年目といえば一般の職業であれば中堅からベテランの域に入るキャリアでしょうけど、この業界ではまだまだ若手の領域です。近所からは未だ「兄ちゃん」と呼ばれていますが、子供扱いというよりは「お前はまだまだ伸びしろがあるのだぞ」という意味合いなんだろうなと思っています。

しかし何度目であったとしてもシーズン前は緊張です。味は仕上がるのだろうか?いつものお客さんから注文が来なかったらどうしよう?台風でみかんが全部ちぎれ飛んだりしたら・・・とか、考えても仕方のないことばかり頭に浮かんで、積み上げてきた自信のようなものを、たくさんのネガティブ北東が寄ってたかって崩そうとする、一年の内で一番モヤモヤする時間を過ごしております。と、まあそんなことをグチってても仕方がないので、とりあえずシーズン前ということで、改めて北東農園を紹介をさせていただきます。

ホームページを通じた販売を初めて7-9年くらい(こちらもうろ覚え)で、それ以前の電話やFAXなどを使った販売を含めるとほぼ農業キャリアと同じくらいになります。

それまでも販売の経験はあったとはいえ農産物を扱うのは初めてで、みかんが箱の中で腐るなんて思いもしなかったというレベル。とにかく失敗と改善を繰り返しながら少しずつ信頼を得てきたという感じです。

特に当初はお客さんに迷惑をかけることも多かったのですが、辛抱強く手助けをしてくれた方々や、お顔は分からないけれど電話やメールでのやり取りを通じて仲良くして下さる方々、言葉のやり取りはなくてもお名前だけで常連さんだと分かる方々。
そんな方々に支えられてここまでやってこれたのだという実感を噛み締めつつ、そして新たに北東農園の名前をどこかで知り、ご興味を持って下さっている方々に読んでいただければと思います。

こんなところにあります。

本州でも有数の温暖な気候の紀伊半島南部、三重県の一番下。熊野地方または東紀州地域もしくは南紀などと呼ばれる所です。

世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の中にありながら、山深いイメージとは少し違った熊野灘を望む緩やかな丘陵地の中腹に北東農園があります。
みかんの一大産地である和歌山県有田地方とは直線距離90km(移動距離150km)と、比較的近い場所にありながらも地形や天候などが大きく違っていて、特産品種や味の個性などに違いが見られます。
温州みかんを始めとした柑橘類の生産が主産業で、「年中みかんの取れる町」というのが我が御浜町のキャッチフレーズです。

窓から見た北側の風景。
東に少し歩けば熊野灘。
屋根の上から撮影

プロフィール

ピンぼけニヤけ顔(数年前のもの)

みかん農家の長男に生まれるも家業にはまったく興味を持てず、自動車関連、放浪、服飾販売、などを中途半端に経た後、齢い40過ぎてやっとみかんを食べ物ではなく職業として手に取る気になる。
それから約十数年、四捨五入したら100歳。正確には59歳。既婚、子供(女子)2人を社会に送り出すことになんとか成功しております。
父親が引退したことで今や一人農業。後継者がいないということもあり、思うままに好き勝手な営農活動をしております。

作っているもの。

園地総面積は110a、みかん農園としては小中規模程度です。
日本でも有数の雨が多い地域ですが、日当たりと風通しの良い南向きの丘陵地にあり、排水性に優れている土壌が美味しいみかん作りを支えてくれています。

栽培内訳

  • 極早生みかん70a
  • 早生、中生みかん10a
  • 不知火10a
  • ブラッドオレンジ3a
  • その他中晩柑15a

三重県熊野地方は極早生みかんの産地として知られていて、当園でも主力品種となっています。
現在のところ極早生みかん以外の品種については収穫量が非常に少ないため、販売に関してご迷惑をおかけしている状況です。現在はお客さんのご要望にお応えすべく、早生みかんやブラッドオレンジを増やすなど、品種のバランスを取る作業を進めているところです。

栽培品種や収穫時期など詳しくは「収穫カレンダー」でご覧いただけます。

栽培方法

マルチシート
隔年結実

温州みかんについては、6月から収穫までの間マルチシートと呼ばれる防水シートを地面に敷き詰め、水分ストレスを掛けて品質を高める「マルチ栽培」という手法と、一年おきに豊作と不作を繰り返す特性を利用した「隔年結実法」という手法を組み合わせています。

栽培方法について詳しくは「みかんの栽培方法」でご覧いただけます。

また、樹上で越冬する不知火などの中晩柑は、温暖な土地柄が幸いして寒害などを気にすることなく樹上で完熟させることが出来ます。

不知火

農薬や化学肥料の使用について。

北東農園では農薬や化学肥料を使う、いわゆる「慣行栽培」で柑橘を栽培しています。
これらの化学合成資材の使用については、用法を守る限りは安全性に問題は生じないと考え、圃場内の環境バランスの維持や、食味向上のために有機質資材を基本としながらも、足りない部分は化学合成資材で補うというスタンスを採っています。そして経費と労力削減のために全体の使用量を減らす工夫をしています。

現在まで使用した資材は「2022年防除履歴」でご覧いただけます。

販売先。

当園の柑橘はオンラインショップの他、こちらのサイトでもお買い求めいただけます。

*当オンラインショップ以外のサイト販売につきましては、収穫の少ないものは出品していません。
また、「ポケマル」や「食べチョク」では、初めてのお客さんにも買っていただけるよう少量パックなども用意しています。
販売手数料等を上乗せしていますので多少割高となっていますが、様々な生産者の生鮮品が一度に見ることができ、様々なサービスなどもありますので、良かったら覗いてみて下さい。

またこちらのお店で直接手にとっていただけます。お近くにお住まいの方はぜひ!
(今年も取り扱いいただけるかどうかは今のところ不明です。w)

そのほか市場への出荷も行っています。

北東のみかんとして。

いくら美味しいみかんを目指していても、露地栽培では美味しくないものや美味しいもの、そしてとびきり美味しいものなど様々なみかんが出来ます。
「北東のみかんはいつも美味しい」と言っていただくために、独自の「食味レベル」という販売基準を設けています。
「甘み」「酸味」「うま味」を総合的に5段階に分け、販売基準のレベル3以上のみを箱詰めします。その基準はJAや市場が求める外観や糖度などではなく、私が美味しいと思うかどうかを基準としています。

食味レベル

味の目安

販売基準

1

美味しくない

販売しない

2

あと一歩

販売しない

3

美味しい

販売

4

とても美味しい

販売

5

とびきり美味しい

販売

販売基準のレベル3以上ものに関しては区別せずに箱に入れますので、いわゆる味の「ハズレ」は入りませんが、「当たり」と「大当たり」の割合がその年によって変わるため、おおよその平均値を販売前にお知らせすることにしています。
「レベル4(大当たり)」の翌年が「レベル3(当たり)」だった場合、前年より味が悪いということになりますので「買わない選択」が出来ます。お買い上げの際に参考にしていただければと思います。

また、値引きや訳あり商品というものはありません。親兄弟にも同じ品質で同じ値段で売るところに絶対的な自信というか融通の効かなさが現れていますが、それが信頼に繋がっているような気もしています。

私が美味しいと思うものを美味しいと感じていただける方に食べていただければ良いなと考えています。
ただ、味の好みは人それぞれなので、果たして本当に美味しいのかどうかは、ぜひ一度お買い上げいただいて判断してみて下さいませ。

とりあえずみかん買って下さい。w

収穫シーズン開幕まであと少しとなりました。ここまではなんとか昨年並みの出来具合で来ていると思います。
最終的にはこれからのお天気次第なので、みかんの管理よりは天気へのお祈りが重要です。