雨がみかんにもたらすもの。

2016-07-21 日南-2

2016年7月26日(火)


「雨は生命の源」と言いますが、農家にとって雨が多い年というのは、豪雨による土砂崩れで畑が崩壊なんていう極端な事態から、病害虫の発生でみかんの値段に影響するということまで、いろいろと心配も多いのであります。

今回の防除は、そのなかのひとつ、みかんにとっての重要病害である「黒点病」に対応するものでした。

カンキツ黒点病

枯れ枝などで繁殖したカビの一種が雨で飛散し、果実に付着することにより外観を損ねる病気。雨が多いと激増します。

中身や味に影響はないのですが、商品の見栄えが悪くなるというのはやはり市場での買取価格が下がるわけで、そこは営利目的の農家です、気にしないわけにはいきません。

それに蔓延したカビの胞子は越冬し、翌年の病原となります。きちんとした手立てを講じておかないとどんどん増殖することになります。

近年雨が増えていることもあり、この「黒点病」がますます問題となってきているのです。

とはいえ、単純に散布回数を増やせば済むのかといえばそうでもなく、原因菌や薬剤の効果をもっとしっかり把握した上で散布タイミングを測る必要があります。

さらに重要なのが、感染の温床となる枯れ枝の除去と、日当たりや風通しを良くして雨後の乾燥を促進させる園地全体の管理法(耕起的防除といいます)も。

幸い北東農園の畑は風通しの良い丘陵地で、水はけも良く、しかも樹自体を小型化していることもあって「黒点病」の被害が割合少ないので、取り立てて対応に迫られているというわけでもないのですね。・・・ごく一部の区画を除き。

比較対象。

この「ごく一部の区画」というのは「風通しの悪い谷間」や「八階建ての実家の裏庭」や「風呂場の脱衣所」というわけでななくて、昔からある品種が数多く混在しているため、新しい栽培手法に手を出せていない、ポッカリと空いたエアポケットのような区画があるのですね。

つまり、どうして良いのか分からず昔ながらの管理をして、あとは見て見ぬふりをしている区画のことです。

そこはやはり、風通しが悪く、雨が上がっても乾燥が進まないがゆえに起こる「黒点病」に悩まされているわけです。

2015-12-16 いしじ

写真は2015年のものです。「黒点病」だけでなく他の菌やら虫の被害も受けているのは、ひとえに園地の管理方法に問題があることを示しています。

この区画も以前は「黒点病」もあまり気にならなかったのですが、年々大きく茂ってくる樹形と、気候の変動が要因となっているのでしょうか、ここ2年ほどで急激に被害が出始めましたね。

そのおかげで、はからずも現在取り組んでいる手法の有効性が立証できた形になったわけですが、このまま放ったらかしておくわけにもいかないので、まずは手始めに強めの剪定で風通しと日当たりを確保して、原因菌の温床となる切り落とした後の枝を回収して様子を見てみることにします。


現在までの防除記録を公表しています。