2015年9月20日(木)
三重県熊野地方では先週からから極早生みかんの収穫が始まりました。広い畑の中に人の気配がして、時折みかんの樹のあいだから人の頭が動くのが見えると、町が少し活気付いてきたような気がします。
一大みかん産地の和歌山県に隠れてあまりメジャーではない三重県のみかんですが、極早生みかんに関しては出荷時期が早く、味も良いということで市場での知名度は高いのだそうです。
「みえの一番星」というブランド名なのだそうです。そしていつの間にやら「”超”極早生みかん」というジャンルが出来ています。トピックスを読んでいて初めて知りましたが、ものすごい勢いで爆走してる感じがして恰好良いです。
そんな活気をよそに北東農園では摘果と枝吊りをちまちまと続けております。
リン酸とカルシウム。
みかん自体は成熟期に入っていて少しづつ着色が進んでいる段階ですが、昨年や今年のように夏から秋にかけて雨が多く日照時間が少ない年は、糖度が上がり難く水気も多いのでどうしても味がボヤけた感じになります。
少しでも味が締まってくれると良いなという考えで、リン酸とカリウム、カルシウム、それにアミノ酸の混合葉面散布をおこないました。
昨年までは果皮強化のためのカルシウムとアミノ酸だけだったのですが、今年は食味向上に効果があることが報告されている(機能性表示食品みたいやなあ)リン酸を参加させます。 というか両方が入った資材を見つけたので試してみようということになったのですね。ちなみにカリウムはリン酸とセットになっていることが多いようです。
今年の春にやったクエン酸の葉面散布のようなことがないように、あらかじめ知恵袋のN氏の相談もいたしました。N氏いわく、今の時期から食味を上げたければ
後期重点摘果(今やってる最中です!)
リン酸、カルシウムの葉面散布(今日はその話の電話ですっ!)
あと天気(それは如何ともしがたい!!)
通常、リン酸とカルシウムの種類によっては混合させると固化沈殿して両方の効果がなくなること、気温や天気によっても薬害(と言っても果皮にシミが出来る程度)を起こす心配があるなどの注意点を教授していただき、
効果はあるけど葉面散布で上がる糖度は、せいぜいコンマ数度だからねというところはあえて聞こえなかったふり。
その後念のために製造メーカーにも問い合わせをして、各農家さんが様々な使い方をしているけど、薬害などの報告は上がってきていないのであまりナーバスにならなくてもよいです。ただ、最低3回以上の散布をおこなわないと効果が期待できないので、収穫から逆算して散布してみてね。というアドバイスをもらって散布開始です。
この手の葉面散布というのは人間でいうところのサプリメントと同じで、目に見える程の効果は期待していないのですが、やり残した感が残らないように打つ手はすべて使い切りたいと思うのです。
ゴールへの最終コーナーを回って、あとは少しの直線を残すのみです。