2015年1月24日(土)
冬が深くなるにつけ、畑はだんだん殺風景になってきます。
活動を休んでいるみかんの樹は、息をひそめるように静かに佇んでいます。
ということは写真ネタに困るわけでして、こんな意味不明なのがちょいちょい出てきますがどうかご了承を。
土壌の物理性。
みかんの樹は常緑植物なので基本的に葉は付いたままなのですが、低い気温と弱い日光のおかげでほとんど活動をしていません。
同時に土の中の根も、伸長、吸収などの活動をほぼ停止していて、ほぼ冬眠状態です。
この休眠時期に土を耕して物理性を改善することが、美味しいみかん作りにつながります。
土壌というのは個体部分のほかに、その隙間にある水と空気からできています。個相、液相、気相という土壌の三相バランスを適正に保つことで、土中に生息する虫や微生物の環境が整い、春以降に行われる根の活動が活発化します。
具体的には長年雨風に晒されたり、足で踏みつけて固く絞まった土を耕して柔らかくするということなのですが、張り過ぎた古い根を切断して、新しい根を出させるというのも大きな目的です。
断根。
永年作物のみかんの場合、適正な管理をしていれば樹は大きくなり続けます。そして地上の枝葉が伸びるのと同じように、地下の根も伸び続けます。
地上部分は毎年剪定で大きくなり過ぎないようにコントロールしているのだから、バランスをとるためにも地下の根っこも剪定が必要なのではないの?
ということで土を耕しつつ根っこを切っていきます。
こんな道具を使います。鉄工所で作ってもらいました。
これをサクサクと土に突き立てながらテコを利用して切っていきます。
切り過ぎると樹勢に影響してくるので、株元に近い根は傷つけないように残しておきます。
溝を切るように一筋に2本切り込みを入れ、通路を作るように土を畝に上げておけば出来上がり。
これで水路にもなる通路部分には根っこがなくなって、余分な水分を吸収せずにすみ、しっかりとみかんの樹にストレスを掛けることが出来ます。
切った根は土の中で腐食して新しい根の伸長を妨げるので引っ張り出しておきます。
この断根処理を行うことで、切ったところからだけではなく、株元に近いところからも新しい根が数多く発生します。
一定の根域に出た活動能力の高い新しい根の働きにより養分吸収が高まり、マルチシートとの組み合わせることにより夏場の水分ストレスも掛けやすくなり、結果高品質のみかんが出来るという理屈です。
今のところこれが最良と信じてやってますが、まだまだ不明なところもたくさんあるので、勉強を続けていかないと。