みかんの糖度についてもうちょっと。

みかんの糖度についてもうちょっと。

2014年6月13日


 

今年の長梅雨、冷夏の予想はエルニーニョのせいらしいです。数年前にも同じようなことがあって、みかんの品質が上がらず困ったことがあったなあ。
農産物なので天候の影響は避けられないことですが、対応できることは何かを考えて少しでもやっていかないとなあ。

 

ブランドみかんという考え方

 

先日5月30日の「みかんの甘さについてちょっと考えてみた。」でも触れていますが、店頭などではよく糖度○○度というのが美味しさを計る目安として表示されていますね。
果汁の中に糖分が何%含まれているかというものですが、糖度13度のスイカはたいへん美味しいけれど、糖度13度のブドウはあまり美味しいと思わないのですね。

みかんの場合でも、糖度13度で酸度が1.2度のものより、糖度12度で酸度0.9度のほうが甘く感じます。

このように数字よいうのはあくまでも目安に過ぎず、糖度と酸度のバランスによって感じる甘さが変わってくるものです。

そもそも糖度はどうやって計っているのか?

通常みかん農家は収穫したみかんをJAの選果場というところに持ち込みます。
そこで各農家から集められたみかんは巨大なレーンに載せられ、洗浄され、サイズ別に選別され、傷がないかなどの外観チェックを経て、箱詰めされて、個人名ではなくJA○○のみかんとして出荷されていきます。これが共同選果(共選)というシステムです。

この選別作業行程の中で非破壊式糖度測定器(光センサー)というものを通します。
コンベアに乗せられたみかんが測定器の中を通過する際、照射された近赤外線が果汁の糖分に吸収される性質を利用して糖度を計るというものです。
予め糖度と酸度の値をセットしておけば、その基準をクリアしたものだけを選別することができます。

栽培条件や各農家さんのやる気度などによって、かくもバラバラになりがちな品質を統一して出荷できる、なかなか画期的な機械です。

現代の大規模出荷システムで無くてはならないものとなっています。

基準に合格したものは高く、達しなかったものは当然安い値段がついてしまうわけで、ある意味明確な住み分けが出来たことで、生産意欲を刺激しているようです。

そのなかで、糖度をもう一段階高く設定をすれば「特別美味しい」という付加価値のついたものが選別されて出てきます。 それに名前をつけて綺麗な箱に詰めれば、レギュラー品と差別化された「ブランドみかん」となります。

 

光センサーはブランド製造機?

 

当地方でいうと「極早生みかん」のばあい、糖度12度以上、酸度1%以下というのがブランドみかんの基準値らしいです。

糖度12というのはあまり高くないように思うかもしれませんが、みかんの中で一番収穫時期の早い極早生は、成熟期間が短いがゆえに、糖度10前後が通常糖度とされています。 ですから12度という数値はかなり甘い!ということになります。

全体の出荷量の数%ほどしか出ないらしいです。

これは希少価値が高いです。

光センサーを通していますので味は太鼓判ですよお奥さん!!
ビタミンたっぷりでね!それに糖度が高いほどβクリプトキサンチンというガンにならない成分がたくさん含まれてるしね!
生活に疲れ果てたようなそのお顔に潤いとハリがよみがえってきて、奥さんの顔見たさに旦那さんの帰りが早くなるし、お子さんも大喜びですよ!!

もう買わない理由が見当たらないでしょ!!!

ねえったらっ!!!! (#`Д´)ノ

くらいの勢いで売ってるかどうかは私分りませんけど (笑) 糖度12度の美味しい極早生みかんにはうれしいことがいっぱい詰まっているようです。

では、そのブランドみかんはどうやって作られているのか?

聞いてみた。

答えは「これといって別に。」でした。 ( ̄Д ̄;;

どうやら出荷されたものの中にはイレギュラー的に糖度の高いものが混ざっていて、それを光センサーで拾い上げて綺麗な箱に詰めて・・・ ということらしいです。

出荷量の数%しか出ない理由もなんとなく分ります。

なんだかブランドの意味を間違えてないか?とか思いますが、まあいいのかなあ。

ただ、そういうセンサー頼みブランドとは別に、高い技術を持った農家さんたちが独自の基準に照らして美味しいみかんを作り続けている本当の意味のブランドみかんというのもありますね。 長い年月をかけて培ってきたノウハウと信頼が、自分がお客さんだとしたらこっちのほうが食べて幸せになりそうだなあ。
めざすならこっちだよなあ。と思わせてくれます。

自分のところのみかんに関しては、JA出荷していないので糖度がはっきり示せない分、誰がどのみかんを食べてもあからさまに「美味しい」といってもらえるようなものづくりをめざしていくのです。

道の果てははるか遠くですが、その分飽きることがなくて良いです。

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