2025-08-04
雨が降りませんねぇ。かれこれ2週間以上晴れ日が続いていてみかんの樹が急速に弱ってきています。みかん産地はどこも同じような状況らしく、SNSなんか見てると雨乞いの祈り声が溢れています。
みかんだけじゃなくて米処も同じみたいで、水不足と高温で今年の米も不作がほぼ決定的らしい。
「米の値段を下げます!!」とか言って備蓄米放出しちゃったけど、在庫もう無いんだよね、どないするんやろ…
とか独り言ちながらも、この夏最大のイベント「マルチ張り」が無事に終え、ひとまずはホッとしているところであります。沢山の材料や道具を使ったあとなので倉庫の中がゴミ屋敷みたいになっています。
この作業は石拾いや潅水設備点検の下準備から始まって、合間に防除やら除草などの作業を合間に挿みながら、ほぼ1ヶ月ほどかかります。
マルチ栽培というのは、「雨が少ない年はみかんが美味しくなる」という性質を利用して「土に雨を染み込ませないようにしてみかんの樹に水分ストレスを掛けて糖度を上げよう。」という栽培方法になります。
私が就農した20年前にはすでに広まっていた手法で、「ストレスを掛けるほど美味しくなる!」とか「長期間ストレスを掛けるほうが美味しくなる!」とかいう風に教えられて、当初は「水やらない」とか「梅雨前から敷いちゃう」みたいなこともやってたわけですが、時が経ち時代は変わり天候が年々暴力的になってきた現在、みかんの樹があの頃と比べて遥かに辛そうです。
なんか…
マルチどうなん?
水不足なのに必要ある?
ストレスかかりすぎて枯れかけてるのに恵みの雨を拒否??
炎天下で白い反射熱に焼かれながら弱った体と頭にふと疑問が夏空の入道雲みたいに湧いてくるわけですね。
意味なくね???
…
この1ヶ月にも及ぶマルチ作業をやらないで済めばその分他の作業をもっと素早く進められるわけで、そっちの方が良いよという人なんかもいるし。。
というかこんな面倒くさい作業できればやりたくないという本音が猛暑の中で猛威を振るうわけですが、
しかしまあ、でも、ただ、今は必要ないかも知れないが、雨の多いこの地域においては9月に入れば長雨が続くことは間違いなく、特に干ばつのあとの雨は降る量がバカというのが最近の傾向なので、やらない理由がまったくないということをはたと思い出すわけですね。
結局「シートで土からの水分蒸発を抑える。」「水分ストレスを掛けて甘くするのではなく、収穫前の雨を弾いて不味くなるのを防ぐんだ!」と考え方を変えるだけで弱気の虫は追い払われ心の揺れが収まりました。
これを先人たちは「物は考え様」と説きました。
大変良い言葉だなぁ。
真新しい白が夏の青空に良く映えて目が痛いです。