マルチな季節。

7月。

2019-07-06


雨の合間を縫ってマルチシート張りを始めました。昨年より約10日、その前の年と比べて約3週間ほど遅めの展張開始です。

これはマルチング(覆うという意味です。)と言われる作業ですが、野菜などで行っている黒色のビニールで株元を覆って土の乾燥を防ぐ方法とは逆で、地面に落ちてくる雨を遮断することによって土を乾燥状態にするというのが柑橘類のマルチングの目的です。

ちなみにこのシートはポリエステル素材で出来ていて、鳥インフルエンザ発生時などのニュース映像で白い防護服を着ている人たちを見ることがありますがあれと同じ素材です。

マルチシートについて詳しくはこちらで。

「雨が多い年はみかんの味が悪い。」というのがみかん界隈での通説ですが、天気が悪く日照が少ないと糖分の生成が不足し、成熟期の雨でさらに薄まってしまうと考えられていて、その雨による水分を調整するひとつの方法として地面にシートを敷き詰めます。

これはみかんの糖度を上げる一番確実な方法ではあるのだけれど、決して手っ取り早い方法ではないというところに悩ましさがあるのですね。

展張と回収に時間がかかり、排水や破れ予防のための整地、風で飛ばないようにメンテナンス、数年に一度新調する経費と、とにかく面倒くさい作業です。

これをやらなきゃ美味しいみかんにならないと思いながら毎年取り組んでいるわけですが、この方法が唯一かどうかは正直分からなくて、「手間ひまかけた分だけみかんが美味しくなるんだぜ!」というのを心の拠り所にしている感は否めない。

まだずっと先の話とはいえ、この作業が何歳まで出来るのかと考えれば違う方法を模索していく必要があるのは明白で、もう年やからシンドくてマルチは止めたなんて話も聞くわけでね。あと、そんな経費や手間ひまを養分供給や他の管理作業に回せば十二分に美味しいみかんは出来るのだぜよ。とか言ってる人もいて。

とにかくまあ、いろいろと揺れ動きながらも今出来ることをしっかりとやりつつ、新しい道も探りつつですが、ここ2週間ほど雨が降ったり止んだりが続いていて土の乾く暇なし。しかもこの先ずっと雨予報が続いてたりなんかすると。

果たしてこんな時にシート敷きなんかして大丈夫なんだろうか? 梅雨が開けてからもう一度シートを畳んで土を乾かすという超面倒くさい事態にならないのだろうか? それならいっそ梅雨明けに敷いた方が良かないのか?

てなことを夜中の3時に急に頭をよぎり目が覚める。(実際は開けっ放しの窓から吹き込む大粒の雨に起こされただけですが。)

ああ、今日も合羽仕事じゃのう。

ワシャもうイヤじゃ~!(千鳥ノブ風)


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