剪定と草刈りと防除と施肥(おさらいその3)

おさらいその3

おさらいはまだまだ続きます。お付き合い頂き有難うございます。

2023-05-24

5月下旬-剪定と草刈りと防除と施肥-

今年はみかんの花が咲くのがいつもの年より早くて、そのあとも全体的に生育が早いような気がします。今年が特段気温が高いわけでもないのになぜなのだ?まあ、自然界のことなので分からないのが当たり前で、早いからどうなんだという話なんですけど。

そういえば今年はアブラムシが付かなかったなぁ、新芽の出る時期が早くて緑化も早かったからかなぁ。(アブラムシは出たばかりで薄緑の柔らかい葉にしか付かないのです)
管理が上手くいったのかなぁそれともただ気候の都合なのかなぁ、とりあえず殺虫剤をやらずに済んでいるのはありがたいなぁ。このまま悪い虫が全然来なかったらいいのになぁ。。とか、ぼや~っと考えている間に絵描き師が来ていました。

正しくは「絵描き師」ではなく「エカキムシ」で、正式には「ミカンハモグリガ」という蛾の幼虫です。柔らかい葉の表皮の中に入り込んで葉肉を食べながら動き回った痕が絵のように見えるため「エカキムシ」と呼ばれています。最近は「バンクシー」などとも呼んだりもします。

食い荒らされた葉は仕事をしなくなるし傷跡から病害菌が入り込んだりします。
苗木にとっては生育に大きな影響が出るので最重要防除の対象となっていますが、果実を生産する成木においては新葉のみの限定的な被害なのであまり気にすることもなく、他の害虫防除の時ついでに効いてくれるといいかなという程度です。

できるだけ早く大きくしたい苗木では、頻繁に発芽と展葉を繰り返す管理をするので、エカキムシの被害を完全に押さえ込むには1週間~10日毎の殺虫剤散布が必要とされています。でも他の作業にかまけている内についつい散布が遅れてしまい、気がつくとバンクシー様100人ご来園されていたりします。みかんの葉っぱはらくがき帳じゃねえぞ!!って感じになります。

苗木限定で1ヶ月くらいバンクシー様来園不可となる高濃度株元散布が認可されていたりしますが、週いち~十いち散布のたびに樹を観察できるメリットもあるのでまだ試していません。でもそのうち試すかもしれません。

そしてこれからはアオムシやハダニやアザミウマやカイガラムシやあれやこれやが次々とやって来るので、さらに観察と適切な対応が重要な時期になってきます。

土の中

また、土の中では発芽から少し遅れて根が出てきます。「出てきます」と言っても土の中の話なので実際に出てきてるとこは見たことなく、「出てくると言われています」が正しい言い方です。

新しい根は土の養分を良く吸ってくれるので、この時期にみかんに良いとされるいろんな成分を含んだ土というのが大事になってくるのですが、いかんせん北東農園は肥料持ちのあまりよろしくない土壌環境なので、一度にたくさん肥料を撒いても根の届かないところに流れて行ってしまいがち。

ということで肥料は1回の分量を減らして回数を増やす分割施用を基本とします。このあたりも葉や果実の状態を観察しながら行っていくのですが、施肥回数が増えたぶん労力も増えましたが、状態を見ながら足りない分を補充する形になるので、トータルの施肥量は減り施肥の効果は上がったような気はします。

これは先日やったばかりのカキ殻です。20kg袋から8Lのポリバケツに移して手で撒いていきます。他の資材もだいたいこんな感じで撒いていきますので、1回の散布でビニールヤッケを着て10km以上歩くことになります。なかなか良い運動です。

粉まみれだしこの時期は汗だくになるしで、まるで揚げる前の鶏肉になったような気分ですが、冷蔵庫で待っている冷えたビールがモチベです。つまみはやはり唐揚げがいいです。

北東農園で行っている施肥の内容については「2023年防除履歴」でご覧いただけます。

そろそろ梅雨の気配がしてきました。雨が降るとカビが増えるけど防除ができない、雑草の伸びるスピードが速くなって除草が追いつかない、作業服の着替えが足りなくなる、とりあえず濡れたくない。といった問題が出てくるので、作業のスケジュール組みが悩ましくなってきます。

ここ数日はお天気の良い日が続いていますが、天気予報では5月末くらいからずっと雨マークが付いております。ひとまず施肥についてはひと通り終わらせることができましたが、黒点病の防除を次回の晴れ日に設定したのが吉と出るか凶と出るか、答えは数カ月後に出ます。

しかし、雨予定の前日にカミキリムシ(みかん農家が最も嫌っている虫)を見つけてしまうというね。。。