上農は・・・

2016年1月30日(土)

先日の全国的な寒波は熊野地方でも少し雪を降らせました。
さいわい樹上の柑橘が凍る事態は避けられホッとしておりますが、風の良く当たる場所では落葉が見られ、来季の着果に少し影響が出るかもしれません。そしてまた一転、暖かい冬が戻ってきたかのような小春日和。

上農は草を見ずして・・・

  1. せっかく施した肥料養分を雑草が吸い取ってしまう。
  2. 春先は裸地の方が地温の上昇が早く生育が促進される。
  3. 土壌の乾燥を促すので品質向上に効果がある。
  4. 雑草は害虫の住処になっている。
  5. 畑の見栄えが良い。

というのが、みかん園での除草が必要な理由です。
他の作物についてはよく知らないので「みかん園」限定で話を進めていきます。

ただ、上記の考え方はわりと古くて、

  1. 雑草分を考慮して施肥量を調整すれば良い。
  2. 傾斜地で裸地にすると雨などにより表土が流れてしまう。
  3. 早く地温が上昇したからといって、生育にはさほど影響しない。
  4. 雑草が夏場の過度な地温上昇や乾燥し過ぎを抑制する。
  5. 雑草は害虫の住処ではあるが良虫の住処でもある。
  6. 雑草は作物の生育においても有用な有機物である。
  7. 清耕裸地≠上農

というのが現在の除草に対する一般的な考え方になってきています。

除草の今昔

前回の「草考」でも少し触れましたが、農家はみんな「上農」であるべきという強い信念のみで草取りをしていたわけではないのですね。

最近生産者の高齢化や後継者不足により、耕作放棄地の拡大が問題となっていますが、多雨で雑草繁殖力の強い日本において耕作を放棄すれば、瞬く間に雑草と雑木に覆われることになり、自然地に戻ってしまった土地を再び耕作地に戻すには多大な労力が必要となります。
つまり除草は畑を畑として維持していくための重要な作業といえます。

戦前までは肥効の弱い有機物質でしか作物を育てる手立てがなく、少しでも養分を作物に送るために除草が必要でした。
そして草刈機もなく除草剤もないため人力での除草手段しかなく、気を抜くと作物が雑草に負けてしまい、後々もっと大変になるから「草を見ずして・・・」となるわけです。

それがさきの戦争によって農夫は兵士になり、そして多くの働き手を失うこととなり、畑では「草を見ても草を取らず」という状態となりました。

その後の経済成長とともに、さらに農村から労働力が流出していくわけですが、それと入れ替わるように機械や薬剤などの発達がそれまでの人力労働力を補うものになっていきました。

このことは農業というもの考え方自体に変革をもたらすこととなり、栽培技術も近代化していくなかで雑草への研究も進み、現代のみかん園での土管理としては

  • 春先から着果までは清耕(裸地)栽培で肥効と地温上昇を促す。
  • その後夏前までは草生栽培で土壌流亡を防ぐ。
  • 果実成熟期は土壌乾燥を促すため清耕とし、品質向上を促す。
  • 冬期は土壌乾燥を防ぎ有機物資源確保のために草生。

が望ましいとされています。
草生や機械除草や除草剤の技術を併用することによって、雑草をコントロールしつつ共存していくというのがスタンダードとなっています。

ここまでツラツラとさも解ったようなことを書き連ねておりますが、お前んとこ(北東農園のことね)は相変わらず上農気取りかよ!!っていう話ですが、その後の作業内容は之また次回伸ばしで。 m(_ _)m