「不知火」の販売につきまして。

「不知火」の販売を開始しました。

2023-04-09

先日近所の中学校のグラウンドで桜まつりが開かれるということで、散歩がてらというか娘の「屋台連れて行け」の要求に応えて見に行って参りました。コロナ禍以来の開催だったので、地区の人間が全員来ているのではないかと思うくらいの人出。みかんのコンテナをイスとテーブルにして酒盛りをするのは産地ならでは。子供たちが奇声を上げながらムダに走り回っている姿は時代を越えて不変なものなのだなぁ。
まあ、ええ歳したおっさんと成人をとうに過ぎた娘がベビーカステラの行列に並ぶ姿は異質だったなぁとは思いながらも、日常が戻ってきたのかなと少し感慨深いものがありました。

桜が終わってもう少し経つと今度はみかんの白い花が見頃を迎えます。今のところは目を凝らして見ないと花なのか枝なのか区別がつかないほどの小さな芽ですが、一日一日大きくなってくるのが分かります。
そんななか「不知火」の収穫が終わりまして、販売を開始したところではございますが…

2023年の「不知火」。

昨年は食味基準に至らず、やむなく販売を中止した「不知火」ですが、今年も酸味が強く残ったままで、昨年の二の舞いか?と心配しておりましたが、3月下旬から続いた雨で少しづつ減酸が進んでくれたおかげで、なんとか収穫することができました。

この酸味の抜け辛い問題は、品種の性質と当園の土質と作り手の技量によるものと推測され、作りやすく改良された不知火に植え替える、または樹が育ちやすいように土壌を改良する、もしくはちゃんと作れるようにもっと勉強するといったことで改善できるはずなのですが、全部がなかなか前に進んでいかない…。時々発症する「不知火やめたい病」に苛まれながらも、いやまて昨年より10日も早く収穫できたじゃないか!販売基準に達するものも出来たじゃないか!!これを進歩と言わずに何と言う!!!

天気のおかげだよっ!!

はい、たぶんそうです。。

え~、とりあえず販売に漕ぎ着けただけでも良かったです。

今年の出来栄えと販売の今後。

あいも変わらず収穫量が少なく販売初日で売り切れてしまい、お買い求めいただけなかったお客様にはご迷惑をおかけしている状況ではありますが、在庫が無くなったわけではなく不確定ではありますが販売を再開する予定もあります。

特に今年の「不知火」は食味にばらつきが見られたため、ひたすら試食を繰り返しながら食味基準に達していると判断した区画や樹を選んで分割収穫をし、酸味の強く残っているものは倉庫で寝かせた上で食味基準に達したと判断してから販売する形を取っています。

それでも「酸っぱいよ!💢」というお客さんの声が聞こえてきそうで、少々ビビりながらの販売ではありますが、、

「不知火」の酸味。

「不知火」の食味については甘みというよりは酸味の抜け具合によるもので、「不知火」特有の酸味が強く残っていると、甘みなんてどこかに飛んでいってしまうほど角の立った味になってしまいます。

これら酸味の強弱は、根っこ、特に新しく出た細い根がどれだけ多く出て健全に仕事をするかによって違いが出てきます。
つまり細根が出やすい土壌と健全な活動を維持できる環境を作り出すかに懸かっているわけですが、当園の土は水持ちも肥料持ちも悪いいわゆる痩せた土質で、適度な乾燥を好む「温州みかん」には良いが水と肥料の要求量が多い「不知火」には合わないという性質の土となっています。

これを少しでも改善するために草生栽培にして堆肥も入れて肥料も調整しながら水やりも適時行うと言った対策をしながら、品質の高い「不知火」を安定的に生産する技術を探っているところです。

仮にどーんと肥料を増やしてどどーんと堆肥も入れて水もたーっぷりやれば酸味の少ないものが出来るかも知れませんが、それだと北東農園特有の甘みが出なくなる恐れがあるばかりか、土の全体的なバランスが崩れてしまうと元に戻すのが困難になってしまうわけで、とにかく少しづつ試験を繰り返しながらバランスを取って行くしかないのです。

ということで一年間取り組んできた1区画で良好な結果が出た所を先に販売させて頂いたということです。
残りの区画についてはやはり昨年同様酸味が強く残っているため、しばらく様子を見て酸味が抜け食味(販売)基準に達したと判断すれば販売したいと思っています。

とはいえ4月中旬の気温の中では酸味が抜ける前に腐敗が始まる恐れがあるため、このまま販売終了となる可能性も含みつつ、あと1週間ほどで判断できると思います。
メルマガとLINEでお知らせいたしますので、もしお待ち頂けるようでしたらどうぞよろしくお願い申し上げます。